「一票の格差是正」は逃げ水か? 小選挙区制の見直し論も浮上

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中選挙区制復活? 時代錯誤?

   民主党の渡部恒三最高顧問、城島光力幹事長代理、自民党の加藤紘一元幹事長、額賀福志郎元財務相ら両党ベテラン議員を中心に、中選挙区制復活を目指す超党派議員連盟結成の動きがある。政治評論家の森田実氏は、「政党が非民主化し独裁的になったために、小型のゴマすり役人型の小政治家ばかりが増えた。この罪は小選挙区制にある。中選挙区制に戻さなければ日本の政治は再生しない」(森田氏「論説サイト」8月9日)と、評価する。

   ただ、中選挙区復活を疑問視する声も強い。非自民の細川護煕連立政権で総理秘書官として小選挙区制導入に尽力した成田憲彦・駿河台大教授は中選挙区制を「分配の政治の時代の選挙制度」だとして、そこに戻すのは「時代錯誤」と厳しく批判。ただし、現状の衆参ねじれ問題もにらみ、「ある程度、多党化させたコンセンサス型の政治を形成していくべきだ」との立場から、比例代表の要素を強化するよう主張している(産経8月19日付)。

   実際、公明党が従来の中選挙区制復活論から、成田教授の主張に近い考えに舵を切るという動きも出ている。東順治副代表が8月10日の衆院委員会審議で「小選挙区比例代表併用制を導入したらどうか」と質問。併用性はドイツが採用しており、比例区は政党、小選挙区で個人に投票するのは今の「並立制」と同じだが、各党の議席数は比例の得票数に応じて配分、各党の当選者は小選挙区当選者を優先する。

   また、同党の井上義久幹事長は8月18日読売のインタビューで「連用制」も検討していると表明。これは小選挙区で議席の少ない党に比例議席を優先的に配分する制度。いずれも、比例代表を中心にする考えで、小党も一定の議席が取れるのがポイントだ。

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