厚労省「調査結果から関係ある」
こうした武田邦彦教授の主張に対し、厚労省の生活習慣病対策室では、「様々な研究をしている専門家の方がいますので、個別にコメントは出しかねます」と述べるに留まった。
一般的には、必ずしもタバコのみで肺がんにかかるわけではなく、年齢が上がるにつれて発がん率も上がるのは確かだとした。とはいえ、生活習慣病対策室では、「肺がんとタバコの関係はあり、非喫煙者に比べて肺がんにかかる危険が高いことは分かっています」と話す。
その調査結果として、国立がん研究センターで1966~82年に、当時の平山雄疫学部長が喫煙の影響を調べたところ、喫煙者は非喫煙者に比べ、男性が4.5倍、女性が2.3倍も発がん率が高かったことを挙げた。また、アメリカのがん協会が82~86年にがん予防研究の調査をしたところ、男性は22.4倍、女性は11.9倍もの高い発がん率を示したとしている。
厚労省のがん対策推進室でも、「一般的には、肺がんとタバコの関係は深いと言われていて、それが覆ったとは特に聞いていません」と言っており、武田教授の発言は、さらに論議を呼びそうだ。