スイスフランに流れていた投資マネーが日本円に流れる可能性
スイスフランに投資している個人投資家は、増えてはいるがFX市場全体としてはごくわずか。FXに投資する個人投資家の約95%がドルやユーロ、豪ドル、英ポンド、カナダドルで占めていて、残りをスイスフランやニュージーランドドル、ブラジルレアルなどの通貨が分け合っている。
しかも、9月6日の為替相場で円高に動いたのはスイスフランだけ。ドル円相場は約1円、ユーロ円で2円超、豪ドルも1円50銭ほど円安に振れた。「海外市場で、対スイスフランで米ドルやユーロを買う動きが対円にも波及したことで円安が進んだ」(植野社長)。
それによって、「スイスフラン円」に投資していた人は損したが、他の通貨に投資していた投資家の多くが儲かったというわけだ。
ただ、それを喜んではいられない。スイスフランと同様に日本円もリスク回避の局面で買われていただけに、スイスフランに流れていた投資マネーが日本円に流れる可能性は低くない。今後ますます円高圧力が高まることも考えられる。