スイスフラン急落ショック またまた円高不安が高まる

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   日本円と同じように値上がりが続いていたスイスフランが急落した。スイス国立銀行(中央銀行)が日本時間の2011年9月6日夕方に、無制限の為替介入に踏み切ったためだ。

   スイスフランは円に対して1日で9円近くも値下がり。外国為替証拠金(FX)取引では最近人気が高まっていた通貨だけに急落で損失を被った個人投資家もいるが、それだけではないようだ。

スイス、異例の「無制限」為替介入

   スイス国立銀行が打ち出したのは、スイスフランの上限を1ユーロ1.20フランに設定する措置。この価格水準を維持するためには無制限で為替介入を行うという、先進国としてはきわめて異例のことだ。

   まさに「突然」といった印象があるが、スイス国立銀行による為替介入はこれまでも結構頻繁に行われていた。2010年前半には合計で1400億スイスフラン(約13兆円)ものフラン売り・ユーロ買いの介入を実施していた。

   外為どっとコム総合研究所の植野大作社長によると、「スイスはフランの上昇を抑えようと懸命でしたが上昇が止まらず、この半年ほどは介入をやめていました。8月には追加の金融緩和策を講じるなど手を打ってきたのですが、歴史的な高値水準に達して、とうとう強硬手段に打って出たといったところ」と話す。

   一方、FXの「くりっく365」を運営する東京金融取引所によると、スイスフランの対円の売買動向は2011年8月27日週に、661枚の売り越しから5616枚の買い越しに転じた。それまではスイスがフラン高の抑制策を打ち出すとの見方があって、個人投資家が買い控えていたが、再び「買い」が先行。結果的に、8月の取引量は1か月で38万7000枚と過去最高となった。

   スイス国立銀行の発表は、注目度が高まっていたときだけにショックが大きく、円高フラン安に振れたことで実際に損失を被った人もいるはずだ。しかし、前出の植野社長は「FX業界への影響は限定的で、大きな傷にはならない」と指摘する。

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