「宅配便で信書ダメ」にヤマトが苦慮 そもそも郵便法がおかしいのでは

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郵便よりもメール便の方が何かと便利

   郵便法によると、信書とは「特定の受取人に対し、差出人の意思を表示し、又は事実を通知する文書」とされている。その具体例として、郵便事業会社のサイトでは、書状や請求書などは信書とされ、書籍やカタログなどがそうでないとされている。

   しかし、総務省の郵便課によると、請求書が信書とされるのは単体で送る場合で、荷物に入れるのはよいという。サイトの説明だけでは分からない場合もあるのは、事実のようだ。書類送検された埼玉県職員でさえ、狩猟免許の更新案内について、「信書に該当するとは知らなかった」と話していたほどだ。

   信書を送るのに、郵便よりもメール便の方が便利なこともあるらしい。

   埼玉県の人事課では、「郵便だと時間がかかりますが、メール便だとお願いすればすぐに発送できる状況にありました。書類の送付期限が迫っていたので、利用してしまったわけです」と話す。また、郵便の場合、県内・県外や県内の地区ごとに分けて出す必要があったが、メール便なら、一括で送ってくれたことも助かったという。

   郵便法違反事件では、埼玉県とは別の団体や職員も書類送検され、このケースも起訴猶予処分になっている。その団体の関係者は、「以降は違反にならないか注意していますが、業者への政治的圧力や規制が背景にあるのではないか」と指摘する。

   ヤマト運輸も、メール便の確認強化を決めたものの、困惑しているようだ。広報担当者は、「お客さまに迷惑をかけないよう法令を遵守していきますが、信書でないか1つ1つ見極めるのが大変になると思います。また、お客さまに確認に手間をかけさせてしまうのも、大変心苦しい限りです」と漏らす。

   総務省の郵便課には、告知以来、何が信書になるのかなどと、問い合わせが殺到して電話がつながりにくくなっている。担当者は、「分かりづらいということですので、今後はホームページの説明などを改良していくことを検討しています」と話している。

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