税制改正大綱「たばこ税率引き上げの必要あり」
小宮山厚労相はまた、「健康をつかさどる省として、しっかり意見は言いたい」と、今後の展開によっては、たばこ増税やたばこ税所管問題について、議論を再燃させる含みを残した。
確かに、小宮山厚労相が指摘するように、たばこ増税は単なる個人的な思いつきという訳ではない。2011年度の税制改正大綱に「国民の健康の観点から、たばこの消費を抑制するため、将来に向かって、税率を引き上げていく必要があります」と書かれている。
また同大綱には、「たばこ事業法を改廃」し、「新たな枠組みの構築」を目指すとの記載もある。「新たな枠組み」とは、小宮山厚労相が言うような、たばこ税の財務省から厚労省への移管も含んだ議論を受けた表現なのだろうか。
財務省主税局によると、「たばこ税移管の議論については、政府税調の議事録をみても出てこない。(小宮山厚労相の)個人的見解ではないか」とのことだった。とはいえ、大綱の文言は抽象的なだけに、小宮山厚労相が今後、たばこ税所管問題も再浮上させる可能性がある。
たばこ税の増税・所管問題は、しばらく野田内閣不一致の火種としてくすぶり続けそうだ。