メダル獲得でスポンサーに恩返し 世界陸上で大活躍のボルト

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結果とパフォーマンスで母国の競技環境改善を望む

   今大会、ボルトほどスタンドのファンを喜ばせた選手はいなかった。とりわけ子供ファンには様々な仕草をして見せた。取り囲んだ大勢のカメラマンに対してもパフォーマンスを演じてサービスをした。まさに「大会独り占め」の感があった。

   ボルトのそんな姿を見た取材記者の一人は言う。「彼はジャマイカを世界に知らせたかったのだろう。恵まれない環境の中で走ってきたからね」と。

   ジャマイカは決して豊かではなく、陸上競技に国の支援はあまりない。有望な選手は多いのだが、国内では希望が少ないために外国に渡って帰化し、そこでオリンピックに出場、メダルを取るケースが何度もあった。かつてソウル五輪にカナダ代表として出場、100メートルで優勝しながら薬物使用で金メダルをはく奪されたベン・ジョンソンはその代表的なひとりだ。

   現在、有力な運動具メーカーがスポンサーとなり、援助して選手の海外流出を防いでいる。ボルトはそのプログラムのなかで育った選手である。北京五輪でもこのメーカーの金色のシューズで走って話題になった。今大会のテレビ中継では、このメーカーのシューズを紹介する「世界最速バンド」のCMが繰り返し流れたが、そこにはボルト自身も登場していた。メダルを取ることによってスポンサーに恩返しする、そしてさらなる支援を望む狙いが、ボルトの言動やジャマイカの選手たちの活躍ぶりにはある。

(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊) 

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