化粧品と医薬品の売上げ18年度に1兆円
時代の流れとともに「本業」が不振に陥り、事業転換するケースは少なからずある。ミシンメーカーのブラザーは、いまではファクスやプリンターといった電子機器メーカーに「転身」しているし、カメラのオリンパスも医療機器メーカーに軸足を移している。
富士フイルムは、伸び盛りの医薬品・化粧品事業の売上高を2010年度の2677億円から、18年度には1兆円に引き上げる計画。また、市場シェアの7割を占める液晶ディスプレイ向けフィルムは、タブレット端末などの中小型の液晶フィルムが有望で、熊本県の工場に新たなラインを設置し、12年末にはフィルム生産量を10年7月に比べて35%増やす。
同社が目指す新しい「富士フイルム」の姿とは――「先進分野である医療・化粧品のインフォメーション事業と、連結子会社である富士ゼロックスが展開するドキュメント事業に、デジタルイメージング事業などの、いくつかの事業が束になった強い会社」だという。