保安院「なぜ活用しなかったかわかりません」
福島原発が事故直後にメルトダウンしていたことは専門家らが早い段階で指摘している。原子力安全委員会の班目春樹委員長は5月の会見で、3月下旬の段階でメルトダウンを判断していたと明かしている。
地震翌日の3月12日、当時の広報担当だった中村幸一郎審議官がメルトダウンの可能性を認める発言をした直後に交代した。以降、保安院はメルトダウンについて否定的な見方を示しており、東電がメルトダウンを認めたのは事故発生から2か月以上たってから。保安院はさらに約4か月してようやく、「当日に予測はしていましたが、活用できませんでした」と明かしたことになる。
保安院の森山善範対策監は、資料を公表した9月2日の会見で、官邸に資料を送っておきながら、データを活用しなかったことについて、「ちぐはぐなんですけど、よくわかりません」と語った。
官邸に送ったERSSの解析結果は、「あくまでも過去の例をもとに作ったもので、『現状はよくわからないけれども、こういう評価をしました』というかたちで送ったもの」とし、SPEEDIのデータについては、「あくまで参考として持っており、活用まで思い至らなかった」と説明した。