表情に躍動感が欠けるところが欠点
『話し方のルール』などの著書があるスピーチトレーナーの高津和彦さんは、野田財務相の演説を「スピーチとしては80点~90点の出来」と評価する。自らの生い立ちや失敗談も盛り込み、固有名詞なども多数散りばめるなど、「台本だけなら100点と言ってもいい」という。
しかし一方で、
「動いているのはほとんど口周りだけで、表情に躍動感に欠けるところがあります。ジェスチャーも小さく、自然に出ているという感じではない。また語尾に『思います』というものが多く、今ひとつ思いの強さが伝わってきません。声のボリュームを上げることでカバーはしているのですが」
として、テクニックの奥に「地」のやや「小心」なところが覗いていると分析する。
高津さんに野田新代表への「アドバイス」を尋ねると、
「『躍動しろ』、そうしたらもっとファンが増えます。表情が豊かだとそこに人間味が現れ、より多くの人を惹きつけることができます」
と話した。