大手監査法人「冬の時代」 トーマツ、あずさ、希望退職募集が続く

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公認会計士の採用増が命取り

   とはいえ、大手監査法人の経営状況は厳しい。トーマツは9月末を退職日として440人の希望退職を募集中だ。この中には公認会計士も多くが含まれている。あずさ監査法人も今回は監査を担当する公認会計士の削減には手をつけていないが、給与や人事制度の見直しを進めており、「無傷」ではない。

   リーマン・ショック後の景気の低迷で、株式公開(IPO)支援は激減。企業買収などに伴う財務・リスク関連のコンサルティング業務も減り、強化してきた企業の内部統制への対応も一巡し需要が薄れた。さらにはクライアントからは監査報酬の引き下げを求められ、監査法人の収入は減るばかり。その一方、これらの需要を見越して公認会計士を大量に採用してきたことが裏目に出て、収益を圧迫した。

   弁護士とともに高収入で安定しているとされた公認会計士の「受け皿」だった大手監査法人に「冬の時代」が来ていることはたしかだ。

   一方で、公認会計士は試験制度が新しくなり、かつては年間1000人程度の合格者だったのが、最近では3000人を突破するようにもなった。空前の就職難。あぶれた公認会計士は行き場を失っている。

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