次期首相で「日中関係に不確実性」
一方の中国側からも、前原氏が日中関係に影を落とす可能性を指摘する声が続出している。例えば前原氏は外相時代の10年10月18日の参院決算委員会で、中国がレアアース(希土類)の輸出を止めたことについて、「中国の対応は極めてヒステリック」と批判を展開。このことが、中国側の反発を買ったという経緯がある。上海の東方早報は、このことを念頭に、
「前原氏が中国と安定的な関係を構築して、北朝鮮の核問題を打開できるかどうかは不透明だ」
と前原氏を警戒。
新華社通信は8月25日に配信した日本の政局記事の中で、ある小沢派の議員の話を紹介。この議員は、前原氏の尖閣諸島問題への強硬姿勢を「『脱小沢』的」と表現した上で、今後もトラブルを引き起こす可能性を指摘。「前原氏は非常に危険だ」と懸念を示したという。
また、香港のフェニックステレビは、領海侵犯に対して日本が中国に抗議したことを伝えるなかで、
「タカ派の代表の前原誠司氏は菅直人首相の後継になるとみられており、日中関係に不確実性がもたらされるだろう」
と、両国関係について悲観的な見方をしている。