国会は終盤になるとまったく面白くなくなる。
法案がベルトコンベアーにのった商品のように淡々と処理されていく。特例公債法案と再生可能エネルギー固定価格買い取り法案が明日(2011年8月26日)に成立し、いよいよ菅首相の退陣になる。これほど退陣を喜ばれる首相も珍しい。代表選は27日午前に告示され、28日の党主催の候補者討論会を経て、29日午前の両院議員総会で党所属国会議員による投票を行う。
「トロイカ」以外の顔ぶれ並ぶが…
既に民主党代表選に焦点は移っているが、この短期日程なので、政策議論がみえない。民主党の代表選挙規則では、選挙運動期間を告示から2週間としているが、それを無視している。
これまでのほとんどの民主党代表選では、鳩山由紀夫、小沢一郎、菅直人のトロイカのいずれかが出ていた。今回トロイカの呪縛がとれ、候補者が増えそうな状勢だ。
野田佳彦・財務相、鹿野道彦・農水相、海江田万里・経産相、前原誠司・前外務相、馬淵澄夫・前国交相、小沢鋭仁・元環境相、樽床伸二・元国対委員長らだ。
普通4人くらいまでなら、マスコミは各人の名前の一文字ずつをとって候補者全体を表す造語(自民党時代、小泉純一郎氏の後任の有力候補者を表す「麻垣康三」など)を作るが、7人もいるとなかなかいいものができない。
名前のはじめの文字をとると、例えば「小樽海前の馬鹿」となって、さえない。
政策面でしっかり主張しているのは、小沢元環境相と馬淵前国交相だけだ。ところが、その両名は推薦人20名集めで苦労している。それが今の民主党の窮状の実態だ。告示では候補者は3~4人程度に絞られるだろう。
それでも、8月29日に民主党代表が決まれば、今月中に国会で新首相が指名される。野田財務相でなければ、ほかの誰が新代表になっても、緊急の政策課題としての復興増税は遠のく。