外国為替相場が1ドル76円台近辺の「円高・ドル安」水準が続いていることから、セブン&アイ・ホールディングスは傘下のイトーヨーカドーで「円高差益還元セール」を2011年8月24日から28日までの5日間、首都圏の約120店舗で緊急開催する。
円は最高値の水準で推移。インターネット通販大手の楽天やYahoo!ショッピングも、輸入ブランド品やワイン、腕時計などの「円高還元セール」のコーナーを開設して集客を図っている。
楽天は輸入ブランドなど320万点が対象
イトーヨーカドーは、円高差益で輸入コストの削減が見込める米国産や豪州産などの約30品目の食料品を対象に、通常の価格よりも最大50%値下げする。
米国産サーロインステーキ用(100グラム)の牛肉が288円(5日間)や、豪州産オレンジ(小玉7個入り)が298円(24~26日)、南アフリカ産グレープフルーツが1個50円(24日限り)といった具合だ。
急速に加速する円高・ドル安に受けて、「高まるお客様の期待感に応えた」(イトーヨーカドー)。
音楽ソフト販売大手のタワーレコードは8月28日まで、通常1枚1000円の洋楽の輸入盤CDを888円で販売している。過去の名盤やベストアルバムなどを中心に、「輸入盤千円生活」のキャッチコピーで販売。約1500タイトルを、全国89の店舗とインターネットで取り扱っていて、これを機会に数枚をまとめ買いする洋楽ファンも少なくない。
楽天の「円高還元セール」のコーナーは、円高差益還元の対象商品が320万点にものぼる。バッグや腕時計などの輸入ブランド品はもちろん、ワインや洋酒、キッチン雑貨にインテリアと幅広く扱う。
個人輸入サービス「アメリカ・ダイレクト」を使った買い物もできるのも、ネット通販ならではの楽しみ。「円高還元セール」も、ネット通販のほうが機敏に対応でき、品揃えも充実しているようだ。
焼肉も「円高還元フェア」
「円高還元セール」は外食業にも広がっている。「焼肉でん」を展開するゼンショクは、「夏の元気回復・円高還元フェア」を8月31日まで開催する。「焼肉でん」では、肉や野菜など78種類の全品食べ放題を1980円で提供しているほか、子育て応援企画として小学校高学年で980円、低学年480円、1年生以下無料(大人1人につき2人まで)で提供する。
また、「和牛焼肉 牛でん」は肉520グラム・3~4人前の「元気回復セット」を通常5200円のところを3980円に値下げ。「しゃぶしゃぶ でん」では食べ放題プラスビュッフェを大人2280円のところ1980円で提供する。
焼肉店は、先の食中毒事件や牛肉の放射能問題などで売上げが落ち込んでいる。「円高還元」で集客力を高めて、巻き返しを図りたいところだ。