ネックレス、指輪、金歯、金縁メガネ… リサイクルショップに売りたい客殺到

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   金価格の高騰が続き、持っている金を売って利益を得ようという人が貴金属店などに殺到している。

   金地金やジュエリー販売の老舗、田中貴金属工業が運営する「GINZA TANAKA」の店頭には、今が売りどきとばかりにお客が列をなしている。金を売るのに3~4時間待ちという賑わいだ。

売るのは女性、それも高齢者が中心

   金の現物価格は、2011年8月19日に1グラムあたり4555円を付けた1980年10月以来31年ぶりの高値水準に達した。週明けの22日も、前日(19日)に比べて113円高の4891円と、さらに上昇した。

   東京工業品取引所の金先物取引も、前日比98円高の4657円と、「買い」の勢いは止まらない。世界的なカネ余りの資金が金に向かっていることに加えて、米景気の減速懸念と米株式市場の大幅な下落を背景に、投資家がリスク回避の姿勢を強めている。

   世界的には金は「買い」が優勢なのに、日本では貴金属店やリサイクルショップに金を「売りたい」人が殺到している。田中貴金属工業によると、「割合としては3対1で売る人が多い」と話す。

   金は現金の「代替資産」として、また金は短期売買ではなく、「長期資産として保有する」商品として販売されてきた。コツコツと積み立てる人も少なくない。

   そうした中で、いったいどんな人が金を売りに来るのだろうか――。その多くは女性で、高齢者が中心。そんな中に、希に若い女性がいる。テレビのニュースで「金の高値」を知った人もいて、少しでも高値で売ろうと金の国際価格と為替をみながら、使わなくなった指輪やネックレスを持ち込んでくるそうだ。

   あるリサイクルショップは、金はリーマン・ショック直後も高値水準に上昇したこともあり、「値動きには敏感になっている」と話す。

売ったおカネで食事や旅行

   前出のリサイクルショップによると、最近は一部の貴金属店が、自店で購入したお客以外は金を買い取らなくなったり、身分証の提示を求めたりするようになり、「鑑定書のない地金や切れたネックレス、指輪、男性の場合は金歯、金縁メガネの持ち込みが増えている」としている。

   もともと「投資」として買ったものはなく、本当に不要になったモノを売りに来て、換金したおカネで食事をしたり旅行代に充てたりしているようだ。

   金の高騰が伝えられる中で、「バブルがいつ弾けるのか」、不安もまた高まっている。著名な投資家、ジョージ・ソロス氏は2011年1月に「金はバブルだ」と指摘。3月までに約8億ドル(640億円)相当もの金を売却した。

   ソロス氏といえば、相場を的確に読んで投資で儲けてきた、いわば「投資の達人」だ。そんな投資家が金を手放してことで、追随すべきかどうか、個人投資家のあいだで話題になったが、その後金はさらに上昇している。

   いままた、専門家の中には「金バブルの崩壊」を指摘する声が高まっている。

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