6000年に6回の大津波 気仙沼の地層調査で判明

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   宮城県気仙沼市の地層から、この一帯が過去6000年に6回の大津波に襲われていたことがわかった、と8月22日付の河北新報が報じている。

   北海道大の平川一臣特任教授(自然地理学)らが、4月に気仙沼市本吉町の大谷海岸を調査、切り立った崖に津波で運ばれた海岸の石などの堆積物の層を発見した。6層の津波堆積物の上から5層目の下に約5400年前の十和田火山噴火による火山灰の層があることから、火山灰の下の6層目の痕跡を約6000年前のものと推定した。

   地層といっしょに見つかった土器の年代などから、3層目は約2000年前の津波による堆積物と特定。2層目は貞観地震津波(869年)、最も上の層は1611年の慶長三陸津波でできたと推定している。

   東北大などの研究では、貞観地震津波の堆積物は福島県から宮城県の石巻平野にかけて分布。これまで石巻以北の陸上からは見つかっていなかった。今回の調査で見つかった第2層に加えて、岩手県宮古市からも、貞観地震津波でできた可能性のある堆積物が見つかった。

   平川氏は「三陸沿岸まで貞観地震津波が届いていれば、地震の規模は東日本大震災と同じくM9程度だった可能性がある」と指摘。M9級の地震が過去にも発生した可能性があるとして、地層調査による津波の検証の必要性を訴えている。

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