消費者の関心はHVからEVへ
BMWグループは2000年以降、サスティナビリティ(持続可能性)を企業戦略とした活動を進め、これまで過給器付き直噴エンジンの燃焼効率向上とオートマチックトランスミッション(AT)の多段化、ブレーキエネルギー回生システムとアイドリングストップ機構の採用、ハイブリッド車(HV)開発などにより、燃費性能の大幅な改善とCO2排出量の削減を達成。これがエンジン排気量のダウンサイズにも繋がり、環境面では競合相手のメルセデス・ベンツに対する優位性も保っている。
それでも先進国を中心とするEV需要は抑えられない。内燃エンジンの燃費とCO2排出量の改善余地はまだまだあるが、消費者の目はHVからEVへと移りはじめた。そこにEVベンチャーのプレミアムブランドが現れ、大衆ブランドのEVも富裕層から評価されている。
EV市場におけるプレミアムブランドとはどうあるべきかを示すことができなければ、BMWの先進性に対する評価は失われることになる。商品の電動化はCO2削減もあるが、BMWが企業として生き抜くために不可欠な取り組みだ。
そこでBMWは電動車両を示すサブブランド「i」を新設し、BMWiを電動車両のプレミアムブランドと位置付けた。それは「原材料の調達から生産、リサイクルに至るまでまったくCO2を排出しないことが夢」(ノルベルト・ライトホーファーBMW会長)とするブランドの創造でもある。