関電など下半期に起債を再開? 電力債発行に期待が高まる

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原発再稼働 「時間はかかりながらも不可能ではない」

   ところが、6月2日に「退陣表明」した菅直人首相がすぐさま「居直り」に転換したことに象徴される政局の混乱で、原発賠償の枠組みを定める「原子力損害賠償支援機構法」のお蔵入りまでささやかれた。原発賠償で関電など東電以外の電力会社も負担の重さを量りかねる事態となり、とても再開できる状況ではなく、関電、九電の起債は見送られ、原発を持たない沖縄電力だけは6月17日に100億円を発行した。定期点検中の原発の再稼働と「ストレステスト」をめぐるその後の一連の騒動もマイナス材料になった。

   そんな混乱続きだったが、「支援機構法」が修正を経ながら無事国会に提出され、8月3日に成立した。原発再稼働についてもここへきて 「時間はかかりながらも不可能ではない」との雰囲気になりつつあり、原発を保有することによるリスク度合いがはっきりしてきた。

   電力債の償還は今年度だけで1兆円近くに上る。償還電力債を抱えて安定した投資先を求める投資家にとって「はめ込み先」に苦労しているようで、トヨタ自動車やパナソニックなど信用度の高い社債が買われ値を上げている状況だ。アナリストの中には「投機的格付けの東電はともかく、関電などは今年度下半期に起債を再開する」と希望的観測が出始めている。

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