節電の折、サラリーマンの間ではクールビズのオシャレな着こなしが話題になっているが、「オシャレな仕事着」は意外なところでも注目されている。2011年8月5日にオープンしたECサイト「Classico Style(クラシコスタイル)」では、大胆な発想で、「白衣」のスタイリッシュな着こなしを提案している。
サイト上では美人・美男の外国人モデルが、白衣を取り入れたコーディネートを披露。カラフルなネクタイやストールなどと合わせている姿は、ファッション誌さながらだ。
すてきなドクターが増えるといいね
運営するのは、2008年に設立した白衣専門メーカーのクラシコ(東京・渋谷区)。知人の医師が「なぜかっこいい白衣がないのか?」と話していたことをきっかけに「かっこいい白衣」を作るブランドとして立ち上げたという。
白衣のデザインは、イタリア式テーラー工房などで高級スーツのデザイン修行を積んできた大豆生田伸夫氏が担当する。その技術と発想を生かした白衣は、機能性とテーラーメードの美しさが評価され、米国の「インターナショナルデザインアワーズ」の医療分野に入賞したほどだ。「そもそも医師というのは人に見られる職業。身だしなみを気にする人も多く、次第に医師の間で評判になり、口コミで広がっていきました」と同社の代表取締役の大和新氏は話す。
「クラシコスタイル」は、教師や科学者、職人など医療関係以外の「白衣」を着用する人たちをはじめ、より多くの人たちに「白衣はかっこよくなり得る」ということを発信するためにオープンした。ファッションサイトなどで取り上げられたことから、ツイッター上などでは早速話題になり、「これ面白い!これからは医療にもこういう視点も大事でしょ!!」「医学部生必見!!」「ステキなDr.増えるといいですねぇ。」と話題になっている。
一方では、「白衣は『野暮ったいからこそ良い』のだ。世に『かっこいい白衣』が浸透してしまって野暮白衣が消えたら悲しい」「白衣は薬品とか血、汚物、その他もろもろから衣類や身体を守るために着るもんなのに」という反対の意見もある。それに対して大和氏は、「賛否両論もちろんあると思うのですが、それも含めて、新たな見方を普及することはできたように思えますね。まだまだこれからです」と語った。ECサイトでは今後、秋冬シーズンのスタイルなどを順次、追加していく。
かっこいい服で「働く現場を楽しく・元気に」
「作業着」から「仕事着」への脱皮は、各所でも広がりを見せている。オーガニック製品を扱うアバンティ(東京・新宿区)は、「楽しく働くひとのための仕事着」をテーマに、オーガニックコットンを使用した「かっぽう着」や「たび(足袋)ソックス」を販売している。
また、「WIRED CAFE」などの飲食店を展開するカフェ・カンパニー(東京・渋谷区)は、ジーンズメーカーのLeeとコラボしてワークウエアブランド「PLAY WORK」を設立。「思いっきり働く人の服は、カッコいい」をコンセプトに、農家の人たちに向けた「つなぎ」や、カフェなどで使用できる「サロン」などのアイテムを取り揃えている。
「街で着ていても馴染む、かっこいいデザインです。街と職場の行き来にも問題ないですね」と広報担当者。「デニムの特質上、働けば働くほど服にも味がでてくるのも特長です」。今後は大工さん向けのウエアなども展開する。「働く現場をもっと元気にするワークウエアになっていけば」と語った。