里子として育てていた女児(当時3歳)を虐待して死亡させたとして警視庁は2011年8月20日、声優の鈴池静容疑者(43)を傷害致死の疑いで逮捕した。鈴池容疑者のブログには、女児の養育に悩む様子が書かれていた。
2010年8月23日夜、自宅で女児の頭などを殴り、死亡させた疑い。鈴池容疑者は容疑を否認しているという。
リカちゃん人形の声も担当
これまでの報道によると、鈴池容疑者は2009年、杉並区に申し込んで女児の里親となり、夫(42)、長女(16)、次女(13)と一緒に同居していた。女児は事件があった翌24日午前6時頃、地下1階で倒れているところを発見され、搬送された病院で死亡が確認された。当時鈴池容疑者は「階段から落ちた」と説明していたが、女児に不自然なあざや、寝室に血痕があったことから警視庁が捜査していた。
鈴池容疑者は、遊魚(ゆな)静の芸名で声優・ナレーターとして活動していた。オフィシャルサイトによると、テレビ番組やCMのナレーターのほか、リカちゃん人形の声をやっていたこともある。アダルトゲームのヒロインを演じたときのことも記載されている。
また、早大大学院で公共経営学を学び、「中学教諭」「認定心理士」「個性心理学講師」の免許を持っていた。2011年8月4日のブログには「バカみたいに勉強して、博士になって、やりたいことは単純に…社会貢献なんですから」と書いている。
「里子と向き合っていると、いろんなものが見えなくなっていく」
里子を迎えた動機も「社会貢献」だったというが、ブログには女児が家に来てからの様子がたくさん書き込まれている。
時折テーマパークや映画に連れて行き、風邪をひいたときは看病するなど、良き里親といった感じで「施設に帰そうと悩むような事も、今のところまだ一度もない」(2010年6月)と書いていたのだが、「ここ数日、里子の目が左右に離れたり…白目をむいて追いかけてきたり…というゾンビ現象が続いていて、どうしたものかと思っていた」「親でさえブキミと感じるほどの驚くべき顔で保育園や学校に行ったら絶対いじめられる」(2009年10月)という記述があったほか、女児が死亡する1か月前の2010年7月には、
「わたしが16年間という長いスパンで預かった里子は、明らかに心と体がつながっていない」
「なんだか、里子と向き合っていると、いろんなものが見えなくなっていく。これが、ダークサイドなのか?」
と悩む旨を書いていた。ブログ、オフィシャルサイトどちらも現在は閉鎖され見られない状態になっている。