「鉄人」として知られるプロ野球、阪神タイガースの金本知憲選手(43)が、金銭トラブルに絡み投資会社社長から「刑事告訴された」、と週刊新潮と週刊文春が報じた。
両誌記事には、恐喝や監禁といった文字が並んでいる。暴力団との関係をうかがわすかのような記載もある。金本選手は「事実無根」としている。産経新聞などの報道によると、告訴状はまだ警察に受理されていないという。
「出資」なのか「貸した金」なのか
金本選手といえば、連続フルイニング出場の世界記録を打ち立て、最高で5億5000万円の年俸を手にしたこともある球界を代表する人物だ。周囲に何が起きているのだろうか。2011年8月17日に首都圏の書店などに並んだ新潮、文春両誌の最新号(8月25日号)によると、「告訴」の概要は次のようなものだ。
「告訴状を警視庁に提出した」のは、新潮によると某投資会社社長(46)。文春では「ファイナンシャル・アドバイザー」となっているが、話の内容から新潮記事の「社長」と同一人物だと分かる(以下、社長と表記)。社長と金本選手は、2人で出資して2007年に投資ファンドを設立していたという。
告訴状や記事によると、社長は金本選手ら2人から恐喝された。2009年1月27日、金本選手と金本選手側のもう1人の人物の計2人から監禁され、恫喝の末、契約書に署名・捺印させられた。
契約書の中味は、金本選手が出資した1億3000万円について、出資ではなく社長への貸金だったことにするものだった。「貸した金を返せ」という構図にするためだ。公正証書も作られた。
新潮記事によると、後にこの書類をもとに、社長は強制執行を受けるなどして、金本選手側へ「都合約1900万円」が渡った。
また、「監禁」の前から、金本選手は社長に「返金」を求めており、電話やメールで、有名な暴力団の名前を挙げて、「(暴力団関係者を)そっちへ行かすぞ」などと伝えていた。
告訴状に出てくる「金本選手側の人物」については、新潮では「(金本選手の)右腕のような男」、文春では「広域指定暴力団の手先となって、押し売りまがいの行為をやっていたそうです(知人)」などと紹介されている。文春記事によると暴力団関係者のようにも見えるが、暴力団との関係は昔の話のようにも読め、はっきりしない。
以上が社長側のおおよその言い分だ。