「学生街の喫茶店」「ロマンス」など数々の大ヒット曲を飛ばし、1970年代に大人気だったフォークバンド「ガロ」が結成40年の今年、「復活」するという。
リーダーで「マーク」の愛称で親しまれた堀内護さん(62)が新バンド「マーク・ウイズ・ガロチルドレン」を結成。東京八王子市本町の市芸術文化会館で2011年8月19日にコンサートを行い、「ガロ」の名曲12曲を披露する。このコンサートを手始めに、新曲CDの発売や、コンサートツアーも視野に入れているのだという。
プロデューサーが35年ぶりにマークに再会した
「ガロ」は堀内さん(マーク)、日高富明さん(トミー)、大野真澄さん(ボーカル)の3人で1971年にシングル曲「タンポポ」でデビュー。73年2月の「学生街の喫茶店」の大ヒットを皮切りにシングル、アルバム共にバカ売れ。アイドルとしてアーティストとして絶大な人気をさらった。解散したのは1976年。その後3人はソロ活動に移ったが、日高さんは86年9月に死去した。
そんな「ガロ」の「復活」が企画されたのは10年秋。かつて大手レコード会社に勤務し、マークのソロ活動を担当していた土田孝さん(60)が、35年ぶりにマークに再会したことから始まる。マークは77年にシングルとアルムを発表した後に音楽活動を停止。表舞台から退いたことで2人の関係は途切れていたが、土田さんはたまたまマークのブログを発見。飲みに行く約束をとりつけた。マークは音楽教室を経営する一方、最近はライブバーなどに招かれ「ガロ」を歌うことがあることを知った。
土田さんは東京八王子で若手ミュージシャン対象のコンサートイベント「テイク・ア・チャンス」をプロデュースしている。そこには複数のアマチュアバンドとプロ一組をゲストで迎えているため、28回目となる11年8月の公演で、マークに出演してくれないかと願い出た。
新曲CDの発売やコンサートツアーも
マークは出演を快諾したが、問題はバックバンド。土田さんはメンバー募集を行い、27歳から30歳までの4人が決まった。マークのために結成されたバンドは「ガロチルドレン」という名前になった。19日のコンサートでは「学生街の喫茶店」のほか「君の誕生日」「涙はいらない」など名曲12曲を披露する。演奏はオリジナルの再現にプラスし現代風のアレンジも付けるという。
「ガロ」は70年代に一世を風靡したバンドで、後のミュージシャンにも多大な影響を与えてきた。彼らの活躍を生で見てきた50代前後から団塊の世代にとって忘れられない存在であり、今でも当時の歌を聴きたいと思っているファンは多いはずだ、と土田さんはいう。
「まずは八王子でのコンサートを成功させること。これを試金石として、過去のガロの曲をリバイバルしたCDや、新曲アルバムの発売、そしてコンサートツアーなども実現できれば・・・」
そう土田さんは期待している。
なお、メンバーだった大野さんは長年、独自に多彩な音楽活動を展開、近年は伊勢正三さんや大田裕美さんらとユニット活動を続けている。