野田財務相「大連立前向き」発言と仙谷氏の関係とは
しかし、民主党内の一部には、「谷垣氏を首相として民主党が抱え込めば、後は何とかうまくいく」とみている向きもある。念頭には、1994年に発足した村山富市・自社さ連立政権のことがあるのかもしれない。
細川護煕・非自民非共産連立政権の誕生で野党に転落していた自民党は、仇敵として「水と油」の関係にあったはずの社会党(当時)の村山富市・委員長を首相にかつぐ、という荒技を使って社会党と新党さきがけと連立を組み、政権復帰を果たした。
首相の座は社会党に譲った自民党だが、「自衛隊は違憲」との立場を取っていた社会党から「自衛隊合憲」の見解を引き出すなど、じわりと自民党側への「取り込み」を続けた。4年後には連立を解消し、自民単独政権へ返り咲いた。
「谷垣首相」を容認したとも報じられている仙谷氏らの頭の中には、この村山連立政権の事例から、「首相の座は自民党に譲っても主導権は民主党が握ることができる」との読みがあるのかもしれない。
民主党次期代表の有力候補とされる野田佳彦・財務相は、大連立に前向きの姿勢を示している。野田財務相の頭の中に「谷垣首相容認」が含まれているかどうかは未知数だが、野田氏擁立の中心人物は仙谷氏だ、とも指摘されている。