「燃やしても全く人体に影響はない」
ちなみに、放射線影響研究所に問い合わせてみたところ、野菜や肉、魚などについては、放射性セシウムが1キロあたり500ベクレルを超えるものは食用にしないという国の基準値がある。今回のマツの皮は1キログラムあたり1130ベクレル。約2倍の数値だが、皮を食べることはない。
「不安だという気持ちはわかりますが、燃やしたとしても全く影響は出ないでしょう」
と話している。
そうした中、11年8月15日、千葉県の成田山新勝寺で9月25日に行われる伝統行事「おたき上げ」で、願い事が書かれた札「護摩木」とともに陸前高田市のマツがたかれると報道された。すると15日の昼過ぎまでに新勝寺に30本近い問い合わせが来た。批判が多く「核廃棄物を持ち込むことは許さん!」といった過激なものまであったという。
新勝寺によれば、マツを燃やすことを決めたのは京都「大文字」が話題になる前で、同じ宗派である陸前高田市の金剛寺が「おたき上げ」でマツを供養することを知り、賛同したことがきっかけ。マツは金剛寺から長さ90センチ、4.5センチ角のものを20本から30本提供を受ける。批判が寄せられていることについて新勝寺では、
「まずは放射能の検査をします。検出されればマツは燃やしませんが、拝むという形になるかもしれません」
と話している。
この新勝寺の件で、再び陸前高田市のマツに対する非難が始まっている。先のボランティア関係者の電話には、
「どれだけ日本に放射能を拡散させたいんだ!」
などといった抗議が来ているという。