震災で隆起した下水道のマンホールに乗用車が接触する自損事故が起き、ドライバーが自治体に賠償を求めるケースが出ている、と8月14日付の河北新報が報じている。
宮城県大和町の町道で4月8日、女性が運転する乗用車が約30センチ隆起したマンホールに接触、漏れたエンジンオイルに引火して火災になった。
女性側は「注意を促す看板がなかった」として、町に損害賠償を請求。大和町は「施設管理責任があった」と認め、過失割合を町6、女性4で和解。損害額や代車料などを含め計52万円を女性に支払うことになった。
大崎市でも、隆起したマンホールやマンホール周囲の陥没で自損事故を起こしたドライバーから計3件の損害賠償請求があり、合わせて37万円の支払いを決めた。市は「管理している以上は責任がある」と説明する。
大和町のケースでは、過失割合が事故を起こした女性側に甘すぎるのでは、と7月の町議会では議員から疑問の声が相次いだ。「あれほどの地震の後では、ドライバーは道路の異変を予見して走行するべきだ。スピードを抑えれば事故は防げるはず」と指摘する警察関係者もいて、なお議論を呼んでいる。