富士山遭難多発で入山料論議 逆に救助要請は増えるのか

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静岡県富士宮市は慎重「環境整備求められる」

   こうした声を反映してか、富士山周辺の自治体からも、入山料徴収に向けた動きも出てきている。

   山梨県富士吉田市は、堀内茂市長が音頭を取って、ゴミ対策なども兼ねた「富士山環境保全協力金」の早期導入を訴えている。この入山料実現に向けて、2011年6月には、山梨県と静岡県で協議するように呼びかけた。

   ただ、入山料を巡っては、「金を払ったのだから救助に来い」などと見返りを求められるとの懸念もあるようだ。静岡県富士宮市の商工観光課では、「そのようなマイナス面が出てくる可能性があります。有料のトイレも、入山料を払うなら無料にとの要求も出てくるでしょう。ですから、自治体などに環境整備が求められると思います」と言う。

   さらに、入山料を山小屋など関係先にどう分配するかということも問題になると指摘する。「県とも一体でやらないといけない話ですので、まだ検討段階にも入っていません。静岡県は、伊豆などの観光地も抱えていますので、富士山だけを考えているわけにいかないこともあります」(商工観光課)

   一方、富士山が主要な観光地の山梨県では、静岡県と多少の温度差があるようだ。富士吉田市には、富士山課という専門部署があり、登山者から見返りを求められるかについては、こう言う。「『金を払ったから』と過大な要求をする人は、ごくごく一部だと思いますよ。登山客には、ゴミを持ち帰るなどマナーがよい人も多いですから」

   入山料については、「大勢の観光客が来たから、稼ごうということではありません。登山道には、救急車も行けませんので、民間にお願いすると費用もかかります。登山者が急激に増えたので、こうした負の部分も増大しました。ゴミやトイレなどの費用も含め、受益者負担にしたらどうかということです」と話している。

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