韓国発の女性アイドルグループ「少女時代」が宗教団体・統一教会の音楽イベントに出演していたことが分かった。
イベントの開催地の「天宙清平修錬苑」は、統一教会の宗教儀式や修練会が行われる韓国内の施設。ここで2011年8月5~7日に開催された教会員のファミリー向け宗教行事「2011夏季父母と子女清平特別大役事」の目玉の1つが、少女時代が6日夜に出演した「清心ミュージックフェスティバル」だ。
3曲披露してすぐに帰った
統一教会の会員で、このイベントを見に行ったという日本人のブログでは、数々の出演アーティストのトリとして少女時代が登場し、「Gee」などの代表曲3曲を披露したことを写真付きで紹介している。ほかのブログや動画サイト「Youtube」でもその様子が投稿されており、少女時代は歌い終えてすぐにステージを後にしたとされている。
統一教会といえば、日本では「霊感商法問題」で批判され、1992年には、歌手の桜田淳子さんら日本の有名人が統一教会の宗教行事である「合同結婚式」へ出席したことが話題となった。
日本でも人気の少女時代が宗教団体のイベントに出演した、という事実を知ったネットユーザーの間では、「少女時代が統一教会と何かしらの関係があるのではないか」と話題になっている。Youtubeに投稿されたイベントの動画には、「当たり前のように少女時代が歌ってますけど、関係者なんですかね?」といったコメントが寄せられている。
一部では出演自体を疑う声もあるが、少女時代の韓国版公式サイトには、「清心ミュージックフェスティバル(天宙清平修練院)」と、8月6日の出演スケジュールが明記されており、隠している様子もない。
あくまで「営業」で歌い、踊る
なぜ少女時代が統一教会のイベントに出演したのか。統一教会について取材してきたジャーナリストで参院議員の有田芳生氏は8月10日のブログで、「日本では霊感商法の統一協会イメージだが、韓国では『財団』として世間が認知しているから、警戒心も起こらないのだろう」と説明している。翌11日の投稿では、教祖の義母「大母様」の息子が芸能プロダクションを営んでいるとし、「この会社が『少女時代』を招いたそうだ。日韓を行き来する信者の桜田淳子さんとは違い、『少女時代』はあくまでも『営業』で歌い、踊ったのである」としている。
毎年開催されているこのイベントに出演した韓国の有名アーティストは少女時代だけではない。イベントの公式サイトを見ると、過去には、2011年に日本に上陸した女性グループ「Brown Eyed Girls」、「野獣系アイドル」として知られる「2PM」の兄弟グループで、12年の日本上陸が予定されている「2AM」といった人気アーティストが数多く出演しており、多くの大手事務所からアーティストが参加していることが分かる。中には、日本でも人気の「KARA」と同じ事務所に所属するアーティストもいた。
有田氏は12日の更新で、「たしかに日本と韓国では統一教会の社会的位置付けが異なり、国民意識(拒否感)も大きな違いがある。しかし日本の信者たちにとっては、それだけ有名なグループが『共感してくれている』といった宣伝にもなっていることを軽視してはならない」とも指摘している。