原発事故の影響で「供給減」を予想
個人投資家から「買い」注文が殺到した背景には、東日本大震災と東京電力の福島原発の事故の影響、さらには7月に米どころの新潟・福島を襲った集中豪雨によって、コメの供給量が減るとの思惑が働いたためとみられる。
ここ最近のコメ価格は、現物市場で昨年収穫された「22年産米」が急騰している。これから出回る新米(23年産米)が、福島原発の事故の影響で販売が懸念されているためだが、コメ先物の相場にもそれが反映されている。
国がコメの放射性物質に対する検査に乗り出していて、すでに千葉産や茨城産などの調査を進めている。近く結果が明らかにされる予定だ。そういった中で、「将来こうした地域のコメが売れなくなると予想。反対に、汚染の心配の少ないブランドの新米を先物買いする動きが活発化して高値を呼んだのではないか」(東穀取)とみている。