公明党は撤退方針を検討との報道も
政府が7月29日に発表した「革新的エネルギー・環境戦略」の中間的整理では、「原発への依存度低減への挑戦」として、核燃料サイクル政策を含む原子力政策を徹底検証していく方針が明示されている。
原発の利用が減れば、当然核燃料サイクルのメリットも薄れてくるが、もんじゅ廃炉についての言及はない。
菅首相は7月の会見で「脱原発」社会を目指す考えを表明し、後になって「個人の見解」と修正したことがある。そのため、今回の発言でも菅首相が答弁上、政府内で調整されていないとの見方がある。
朝日新聞は7月28日、公明党の幹部らの話として、福島第1原発の事故をきっかけに、運転技術が確立されていない高速増殖炉に関して「事故の危険性が高く、これ以上続けるのは困難だ」との見方が強まり、党が撤退を打ち出す検討をしていると報じた。
これによると、公明党は8月末に党独自のエネルギー政策をまとめる予定。国会運営のカギを握る党が撤退方針を明確にすれば、政府・民主党や自民党のエネルギー政策論議にも影響を与える可能性があるとしている。
菅首相の発言によらずとも、「もんじゅ」が微妙な状況にあることは間違いなさそうだ。