「がんばろう!日本」のスローガンを掲げて始まった2011年夏の高校野球選手権大会。開幕日の8月6日、第3試合で震災と原発で苦しむ福島県代表の聖光学院が延長10回、5-4で劇的なサヨナラ勝ちし、不屈の闘志を見せた。
9回二死、勝利目前の暴投で追いつかれたが…
「大震災で苦しむ東北を背負って戦っていこう」
聖光学院の斎藤智也監督はそう選手たちに訴えて甲子園に入り、1回戦の日南学園(宮崎)との試合に臨んだ。前半は劣勢だった。5回を終わったところで1-3。7回裏に3点を挙げて逆転、そのまま逃げ切るかと思われた。ところが9回表、二死から打者を三振に切って取ったが、その投球が暴投となって3塁走者が返り同点となり、延長へ。10回裏、聖光学院は走者を2塁に置いてエースの歳内宏明が右前へ安打、決勝点を挙げた。
「勝ってよかった…」と監督が言えば、選手たちは「やった、やった」と被災地へ向かって声を挙げた。