大リーガー放映権詐欺で16億円被害 出版社がだまされたカラクリ

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出版社「コメントは差し控えさせて下さい」

   ところが、2006年6月ごろから、出資金の返済や投資への配当が滞るようになった。不審に思った笠倉出版社が、転売先とされた大手広告代理店に問い合わせたところ、転売の事実はないことが分かった。その後、笠原出版社は09年12月になって、メディアバンクオフィスの幹部2人を刑事告訴している。

   東京商工リサーチの情報部によると、笠倉出版社はそれまで、毎年30億円以上の売り上げと2億円以上の利益を出していた。しかし、08年2月期の決算からは、売り上げはそれほど変わらないものの、利益は大幅に減り、09年2月期には、3億5000万円の赤字にもなっている。

   なお、10年12月には、綾瀬はるかさんら女性タレント21人が写真を無断で雑誌に転載され、肖像権を侵害されたとして、笠倉出版社に計約2300万円の損害賠償を求める訴訟を東京地裁に起こしている。

   笠倉出版社の総務担当者は、取材に対し、報道された事実は認めながらも、「警察が捜査しているところですので、会社としてのコメントは差し控えさせて下さい」と答えた。総額26億円もの投資を、蓄えた利益や資金借り入れなどからねん出したのかどうかについても、「今後は裁判になりますので、現時点ではお答えできません」と話している。

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