東海テレビの岩手県産米視聴者プレゼントで当選者が「汚染されたお米セシウムさん」などと表示されたことに対し、岩手県や県の農協が抗議する声明を発表した。東海テレビにも抗議の電話が大量に寄せられているという。
2011年8月4日放送の情報番組「ぴーかんテレビ」で、岩手県産ひとめぼれの当選者が「怪しいお米セシウムさん」「汚染されたお米セシウムさん」と約20秒間にわたって表示された。
JA全農いわて「まったくの事実無根であります」
その後、番組内で「考えられないような不謹慎な内容でした。本当にすみませんでした」と謝罪。局のHP上にもお詫び文が掲載された。
そして、この日のうちにJA全農いわてがHP上で「東海テレビの放送に対する本会の見解」という文章を掲載。放送内容に対して「まったくの事実無根であります」と怒り心頭の様子だ。
現在流通している岩手県産米は2010年以前に生産され、福島第1原子力発電所の事故以前に収穫されたものと説明し、
「23(2011)年産米については、これからの収穫期に合わせて、国が定めた検査基準にもとづき検査を実施し、安全を確認した米を流通させることとしています。このことから、安心して岩手県産米をご購入くださいますようお願いします」
東海テレビに対しては「厳重に抗議を申し入れる予定です」とした。
岩手県は抗議文を送付「残念です」
さらに、岩手県もHP上に文章を掲載。「『ぴーかんテレビ』において、本県産米を誹謗中傷する内容の静止画が23秒間放送されました。東海テレビ放送に強く抗議するとともに、詳細について引き続き確認してまいります」としている。県の広報担当者は「東海テレビの方には事実関係について問い合わせてから、抗議文を送らせていただきました。残念です」と話している。
東海テレビは報道各社に送ったファクスで、原因は「当選者が決定される前に作成したリハーサル用の仮テロップが、操作ミスで送出されたため」と説明。
「本来、放送に使用しない仮のテロップとはいえ、大変不謹慎な表現を使用したことに問題があり、担当者の認識不足とともに、番組プロデューサー、ディレクターのチェック・管理体制の甘さがあったことを深く反省するとともに重ねてお詫び申し上げます」と再度謝罪した。再発防止のため、社内の綱紀粛正を図り、改めてコンプライアンス意識の徹底を指示したとしている。担当者によると、この件に関して抗議の電話が数百件寄せられているという。