中国高速鉄道でダイヤ大幅乱れ またもや信号システムにトラブルか

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   大事故を起こしたすぐに運転再開した中国高速鉄道で、相変わらず運休や遅れなどトラブルが続いている。具体的な原因ははっきりしないが、事故と同じように信号システムに不具合が発生している可能性が高いと見られている。

   これまでの報道をまとめると、2011年8月1日午後に、事故を起こしたのと同じ中国浙江省温州を通る区間で、10本以上の列車で最大3時間半の遅れが発生。

「前方の信号が灯ってない」と説明?

   一部列車は事故現場のある事故現場を含む区間で1~2時間にわたって停止した。停車した列車の乗客の話だと、車内では車掌から「前方の信号が灯ってない」という説明があったという。

   2日になっても正常化せず、この日も14本以上が運休し、十数本の列車で最大4時間の遅れが起きた。運行を管理する中国鉄道局は原因を「設備保全」としたがダイヤの正常化時期については「わからない」とした。

   さらに3日までに中国共産党の機関紙、人民日報の電子版で、事故現場含む杭州―深セン間の区間について、設備保全のため5日まで毎日12本を運休して、16本の運行区間を変更すると発表された。現在、手動信号で運転を続けているという報道もあり、信号機にトラブルが発生したと見られる。

広州市と深セン市結ぶ路線、開業延期か

   200人以上の死傷者が出た7月23日の事故も、信号システムのトラブルが原因の1つにあるとされている。追突された列車は永嘉駅を出た後、信号機トラブルで正しい信号を受信できなくなり、時速20キロで徐行。追突した後続列車には、赤信号が青信号に誤って発信されていたため、先行列車に115キロのスピードで追突した。

   信号システムでのトラブルは、中国の高速鉄道計画全体にも影響しそうだ。当初8月10日に予定されていた広州市と深セン市の区間の開業が延期される可能性が出ている。広州南駅と深セン北駅を結ぶ150キロの区間で、この区間の信号システムを設計したのが、事故のあった区間と同じ「北京全路通信信号研究設計院」。事故後、信号システムを含む線路や列車の全面的な検査を行っていて、中国鉄道省は日経新聞の取材に対して「(開業日は)まだ決まっていない」と説明。そのほかの報道でも検査が9月末までかかるという見方が出ている。

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