俳優の高岡蒼甫さんが韓流コンテンツを強く推すテレビ局を「ツイッター」で批判してから、芸能人や学者、政治家までが今回の問題についてネットで持論を展開するようになっている。
ネットではそうした人達を「韓流コンテンツ擁護派」、また、「フジテレビ擁護派」などといった色分けをし、批判のターゲットにする動きが出てきた。そうした中、有名人の「なりすまし」が「ツイッター」に登場し、フジテレビの批判を始めた。有名人の所属事務所が激怒し、フジテレビや関係者に謝罪すると共に「法的措置も辞さない」などという状況になっている。
「27時間?テレビをやってたテレビ局、あれおかしいよ」
人気プロレスラー長州力さん(60)を名乗った「ツイッター」には2011年7月29日付けにこんなことが書かれた。
「新聞・テレビはすべて正しく公平である、という意識が日本人にある限りこの国は変わらないよ。ついこないだの27時間?テレビをやってたテレビ局、あれおかしいよ。被災地にちょうど炊き出しに向かう最中に車内でふざけた番組見てしまい憤りを覚えたよ」
このテレビ局とはフジテレビのこと。高岡さんが韓流ドラマばかりのテレビ局に11年7月23日に異論を唱えて以降、この問題について学者の茂木健一郎さん、田母神俊雄さん、タレントの田村淳さん、ふかわりょうさん、政治家では片山さつきさん、中田宏さん、中山成彬さんなど多くの有名人が持論を展開してきた。
ネットでは高岡さんを支持する声が多く、韓流やフジテレビを批判する人を持ち上げたり、異論者に対してはバッシングの対象にする、といったことも起こっている。長州さんに対しては「長州がバトルに乱入」などと一時話題になったが、実はこの「ツイッター」、長州さんのなりすましが運営しているものだという。
長州さんの事務所「RIKIPRO」は11年7月31日付けで、長州さんとは全く関係のない人物が長州力の名前でアカウントを作成し、あたかも本人かのように偽っている、と公式ホームページで報告した。長州さんの考えは全く逆で、3.11の震災以降もバラエティ番組や出演しているタレント、お笑い芸人の重要性を説いている、としている。そして、
「フジテレビ様以下、FNS系列全ての放送局様、番組スポンサー様、同番組に携わる全ての出演者の皆様、およびスタッフ関係者の皆様に対し大変不快な思いをさせてしまったことを深くお詫び申し上げます」
と謝罪。今後このような偽のツイートがあった場合は
「顧問弁護士と協議した上で法的措置に移行させていただきます」
と宣言した。
本人の名前と写真を使っているため分かりにくい
なりすましはこれだけではない。ものまねタレントのミラクルひかるさん(31)も被害にあった1人だ。7月29日にミラクルさんを名乗る「ツイッター」にこんなことが書かれた。
「某韓流アイドルグループをパロったために某お台場合衆国から出入り禁止を言い渡された3流芸人がここにも一人いますづら~~~~」
これは高岡さんの「ツイッター」に返信した内容で、高岡さんは
「とにかくこの国はこのままじゃやばい。それだけはマジで事実。何にも大事な事は報道はされていない」
などと書いていた。
韓流アイドルのパロディーでフジテレビに出入り禁止を言い渡されたというミラクルさんの告白に、テレビ局の裏側が暴露されたと騒然となったが、ミラクルさんは7月30日、31日付けの自身のブログで、これはなりすましの仕業だと説明。
「出入り禁止になるくらいのものまねをしないとなぁ なんておもっちゃったりして‥私の悪意と善意の狭間ものまねを快く後押ししてくださっているフジテレビさんです」
などと説明した。
長州さんとミラクルさんの「ツイッター」は、共に本人の名前と写真を使っているため、なりすましなのかどうか、一瞬では見分けが付かない。今回の韓流コンテンツやテレビ局の問題は非常にデリケートな事態へと発展しているため、タレント達には非常に気掛かりな事態となっているようだ。