フジテレビの韓流偏重に抗議するとして、番組スポンサー企業にクレームが次々に入っている。中には、電話対応が悪いとしてアマゾンの商品レビューに酷評を書き込むケースもあり、企業も対応に苦慮している。
スポンサー企業に対応を問いただすことは、電話突撃の「電凸」とされてネット上で呼びかけられている。
「電凸」対応の悪い企業がターゲット
2ちゃんねるなどでは、企業の電話対応などを知らせるシートの表も貼り付けられている。
ある大手メーカーは、電話オペレーターが「ネット見て電話したんですよね?民主主義だからどんな報道も自由。企業としてフジテレビを支持しております」と答えたとシート上で報告された。すると、ネット上でこのメーカーの悪評が伝わり、アマゾンのレビュー欄には、メーカー商品の酷評が次々に書き込まれた。
「せっかく試したのに、いまひとつです。返品したくなりました」
「日本を愛する企業での購入の方が大切ですし 他社製品を、これからは購入します」
この商品は、最悪を意味する星1つの評価が100以上も付く異例のレビューになっている。
電話対応を知らせるシートでは、企業との電話のやり取りを録音してユーチューブに投稿するよう呼びかけており、騒ぎは過熱している様子だ。
ターゲットになったメーカーの広報部では、アマゾンへの酷評書き込みについて、「今のところ静観はしていますが、ほかのお客さまの迷惑になりますので、困惑しています」と明かす。場合によっては業務妨害になりかねないが、今のところ、売り上げに影響が出て告訴などを考える段階ではないとしている。
メーカー「番組内容にまで意見できない」
クレームの電凸について、この大手メーカーの広報部は、「多数のご意見が来ており、個別に対応しています」と説明する。フジテレビの番組内容にまで意見を差し挟むことはできないことを話し、理解してもらえるよう努力しているという。
電話オペレーターが答えた内容については、事実関係を確認中だとしながらも、「相談窓口の対応に至らない点があり、不快な思いをさせたお客さまには、お詫び申し上げました」と釈明した。
寄せられた意見は、関連部門に伝えており、現在は、意見への対応を検討しているところだとしている。
電話対応のシートではほかに、「最悪!」と評された別の大手メーカーもあった。電話オペレーターに「完全にクレーマー扱い。めんどくさそうに対応された」というのだ。このメーカーの広報担当者は、取材に対し、「実際にどうだったかはまだ把握できていません」と困惑ぎみに話した。ただ、相談センターなどに、いくつか意見の電話があったことは認めた。どう考えるかなどについては、「今の段階では何とも言えないです」と歯切れが悪かった。
ほかのスポンサー企業については、テレビ局に意見を言ってほしいと「他人事」だった、意見を重視したいと低姿勢で言われ「中々良い」対応だった、などとシート上で報告されている。
フジテレビの広報部では、2011年8月1日の取材で、スポンサーへの電凸について、「こちらではよく分かりません」と答えている。