「コロケーション」と呼ばれるサービス登場
顧客のつなぎとめと言えば、世界の取引所は最近、「コロケーション」と呼ばれるサービスにも熱心だ。これは東証のデータセンター内など、物理的に近い位置に証券会社の自動売買用サーバーを置いてもらい、超高速の売買注文を確実に少しでも速く出してもらうためのサービス。「そこまでするか」という気もするが、東証でもコロケーション経由が取引の3割程度を占めるほど存在感を高めている。
既存の取引所にとっては、すでにミリ秒の壁を突破し、世界でシェアを高める私設取引所(PTS)も、投資の手を緩められなくなる存在だ。日本ではまだ数%程度だが、英国や米国では5割程度にまで高まっている、という指摘もある。
終わりの見えないシステム投資競争の中で、米欧で証券取引所を運営するNYSEユーロネクストとドイツ取引所が年内に合併するなど、取引所の世界再編も始まっている。東証も大阪証券取引所との統合協議を進めているが、コップの中の主導権争いで合意にいたれていないのが実情だ。東証内では「早く単独上場してNYSE・ドイツ連合に加わった方がいい」との声も漏れ始めている。