福島事故で「ガン患者41万人」 「欧州放射線リスク委」予測根拠あるのか

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専門家は疑問呈すも、内部被曝の怖さには理解

   内部被曝をどう見るかを巡っては、国立がん研究センターが2011年6月22日に開いた「放射線被ばくについての公開討論会」でも、大きな議論になった。

   国立がん研究センターのサイトに掲載された動画を見ると、北海道がんセンターの西尾正道病院長は、討論会でECRRの予測結果をICRPと比較してこう指摘している。

「どっちが正しいかは、分かりません。ECRRは、よく理解できない生物・物理係数のような特殊な係数を掛け合わせており、過剰な数字になっています。ICRPも、逆に、ずいぶん少ないなというのが実感ですね。まさに政治的な立場によって、これだけのデータのばらつきがあります」

   ただ、西尾病院長は、内部被曝の方がよりリスクがあって怖いことをもっと考慮すべきだと説く。放射性物質がもし体内に残留すれば、長い期間にわたって深刻な影響をもたらすからだ。特に、α・β線といった粒子線は強力な発がん性があるので恐ろしいという。

「(政府は)空間線量率を測って、γ線だけの外部被曝を問題視し、20ミリシーベルトと議論しています。しかし、これは被曝のごく一部を語っているに過ぎません。健康被害については、これだけでは、全然語れません。(政府のやり方は)虚構、欺瞞ですね。20ミリシーベルトを安全と称しているのはウソです」

   医療従事者でさえ年平均で0.21ミリシーベルトしか浴びていないという。そのうえで、西尾病院長は、内部被曝の影響がまだ調べられていないとして、「排泄物を含めて放射線の量を測っていかないといけません」と指摘した。

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