ネット時代だからこそ肉声が聞きたい
「モテ声」ヒットの背景となっているのが、若い世代の「声」への注目だ。自分の声を公開できるSNSや、声優ばりの美声を売りにしたネット生放送が人気を集めるなど、自らの声をネット上で積極的に配信する人が少なくない。声総研による調査では、20代女性がキュンとくる男性の部位は、外見よりも「声」、という意外な結果も出た。
「声総研」を立ち上げた「面白法人カヤック」では、2007年から「声」を中心にしたSNS「こえ部」を運営している。ユーザーは「お題」にそって、せりふなどの演技や物まね、歌などを録音・投稿。人気のユーザーには多くのファンがついていて、再生数は3000~4000にも達するという。現在の登録者は実に37万人近い。
声総研発起人で、こえ部プロデューサーの鈴木啓央さんは、
「テキスト文化と違い、『声』が血の通ったコミュニケーションを可能にすること、また声優人気もあって、今の若者の間には『声』に対する関心が高まっています」
と話す。
ちなみに「モテ声」を出すための秘訣は、「腹式発声」と「口角(口の両端)を上げること」とのこと。声総研の統計によれば、声がいい人はそうでない人に比べ2割増しで「モテる」といい、これからは外見よりも声を磨くことにやっきになる人が増えるかもしれない。