新米の流通次第で値上がりも
農水省は、「消費者に価格上昇の影響が波及することは、今のところない」という。米穀データセンターも、「22年産米の大半は流通済み。もうほとんど残っていません。まもなく新米も出てきますので、影響はほとんどないといえます」と説明する。
米どころの作付け制限で、11年産米の絶対量が不足することはないのだろうか。農水省は「(福島県と宮城県に対して)作付け制限はしていますが、その分を他県などに振り向けていて、概ねカバーしています。量的な心配はありません」と話し、供給不足による価格上昇については否定的だ。
ただ、今後の不透明感は拭えない。米穀データバンクは、「野菜や牛肉、稲わらのように、いま放射能汚染の流通への影響が懸念されています。たしかに新米は量的には足りているかもしれませんが、本当に(放射能の)影響がないかどうか。こればかりは実際に11年産米が収穫され、流通してみないことにはわかりません」という。