東京スター銀行が展開している「無料ATM」をめぐる訴訟で、東京地方裁判所が三菱東京UFJ銀行によるATM提携の解除が「有効である」との判断を示したことを受けて、東京スター銀行は控訴することを明らかにした。「現在、その(控訴)方向で準備を進めている」という。
「無料ATM」訴訟は、東京スターが他行のキャッシュカードを使っても平日昼間のATM利用手数料を無料にするサービスを展開していることがきっかけ。通常、ATMの利用手数料は、利用者とカードを発行した銀行がATMを設置した銀行に、それぞれ105円を支払っている。
東京スターの場合では、利用者は「無料」でも、利用者が口座を持っている銀行が105円を支払っている。東京スターのATMを利用する預金者が増えた一部の地方銀行などでは、一方的な支払いが膨らみ不満がくすぶっていた。
こうした事態に三菱東京UFJは、東京スターと交渉に臨んでいたが折り合えず、08年11月にATM提携を解除。その直後に東京スターが提訴していた。
東京スターが控訴に踏み切るとはいえ、東京地裁の判断を受けて地銀のあいだには東京スタートの提携解除を模索する動きも出てきた。
東京スターのATMは現在コンビニATMを含め、全国に約2300台が設置されている。