海江田氏は手に「忍」の字
「菅VS海江田」の構図は、今回の電力需給情報開示だけでなく、「海江田氏による原発安全宣言直後に菅首相主導でストレステスト導入」でも浮き彫りになっていた。また、菅首相の「脱原発依存」発言をめぐっては、海江田氏が「個人としての発言なので『鴻毛より軽い』」と斬って捨てた。
海江田氏は、7月21日には左手のひらに「忍」の字をかいて参院予算委に臨むなど、菅首相の「頭越し」の決定による「メンツつぶし」に耐える姿勢を示している。
今思えば、5月に菅首相が国際会議で太陽光パネル1000万戸計画をぶち上げた直後、海江田氏が「沈黙の7秒後に『聞いてない』」と会見で明かしたことなど大した「内閣不一致」ではなかったのかもしれない。その後の両者のねじれぶりを見せつけられた後となってはかわいいものだ。
海江田氏は、原子力損害賠償支援機構法案と再生エネルギー法案が可決・成立した段階での辞任を示唆している。再生エネルギー法成立は、菅首相が示す退陣3条件のうち、残る2条件のひとつでもある。
菅首相の退陣については、「3条件成立後も辞めないのではないか」との見方も根強いが、海江田氏の近々辞任の方は「ほぼ確実」と見られている。菅首相は海江田氏について「更迭などは全く考えていない」(7月21日)としている。