村井嘉浩・宮城県知事が打ち上げた「水産業復興特区」構想の行方が怪しくなっている。
宮城県漁協は7月27日、塩釜市で総代会を開き、11年度の事業計画などを決めた。経営管理委員会で、新会長に選ばれた菊地伸悦氏は、あらためて特区を容認しないことを明らかにした。漁業者たちの反発はなお根強い。
水産特区は、地元漁協が事実上独占している漁業権を開放、民間資本を水産業の立て直しに生かそうという構想。漁業者と加工・販売業者が一体となって会社を設立することなどを想定している。
菊地氏は「組合員の生業を守りたいという考えは知事も同じ」と語り、本格復旧に向け県との連携強化をアピールする一方で、特区については「なくても民間参入は可能だ。スタンスは変わらない」と話した。
河北新報によると、村井知事は27日の記者会見で「水産業に対する思いは、だれが会長になっても変わらない。私たちがやろうとしていることを一生懸命説明し、協力を仰いでいく」と語ったという。
松本龍・前復興相は、オフレコ暴言が飛び出した7月3日の村井知事との会談で「(水産特区は)県でコンセンサスを得ろよ。そうしないと我々は何もしないぞ。だからちゃんとやれ」と発言していた。