ベトナムとの契約も「白紙」の懸念
原発輸出の交渉権を得ているのは、トルコ以外にもある。枝野幸男官房長官は7月14日、リトアニア政府が新型原発建設の独占交渉権を日立製作所・米ゼネラル・エレクトリック(GE)連合に与えたことを明らかにした。
それを踏まえ、枝野官房長官は「日本の技術力について評価をいただけていることについてはポジティブに受けとめたい」と語り、成長戦略の一環である原発輸出を推し進める考えを示唆している。
政府は原発などのインフラ輸出を新成長戦略の柱に位置付けていて、官民一体で推進していく方針を掲げている。ベトナムの原発建設は、2010年10月のグエン・タン・ズン首相と菅首相との首脳会談で決まり、菅政権の成果のひとつとされている。
福島原発の事故後、ベトナムやトルコ、ヨルダンからは事故原因への問い合わせもある。昨年10月に契約を結んだベトナム政府は今のところ、日本との契約を変更する方針などは示していないが、こうした問い合わせに日本が科学的な検証結果を明らかにできなければ、契約が白紙に戻る可能性もある。