中国版新幹線ツアー見直し続々 ジャルパックやエイチ・アイ・エス

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   中国の高速鉄道の事故を受けて、国内旅行会社に不安が広がっている。一部の旅行代理店はすでに中国版新幹線(CRH)を組み込んだパッケージツアーを中止した。

   尖閣問題でブレーキがかかったものの、CRHで盛り返しの機運も出てきた中国旅行。事故の影響が長引くのではないかと懸念する声もある。

バスに切り替えて移動「キャンセルもあるでしょう」

「中国版新幹線」を組み込んだツアーは当面中止に(写真は、ジャルパックのホームページ)
「中国版新幹線」を組み込んだツアーは当面中止に(写真は、ジャルパックのホームページ)

   上海‐蘇州間の移動にCRHを利用するコースを用意していたエイチ・アイ・エス(HIS)は、2011年7月27日出発分から移動をバスに切り替えた。

   HISはこの措置について、「お客様から不安の声があったわけではありませんが、当社の判断で(バスへの切り替えを)決めました」と説明。現状ではキャンセルもなく、「ツアーへの影響もないと考えています」と話す。

   ただ、CRHへの乗車をツアーに組み込むことについては、「(今回の措置で)いったん取り止めたこともあり、当面はないと思います」という。CRHの利用再開には、あらゆる情報を精査して、実際に乗車し確認してからの対応になる。

   ジャルパックはCRHを組み込んだパッケージツアーをすべて中止した。すでに中国に出国しているツアー客はバスへの切り替えで対応。出発予定者には連絡をとって、事情説明にまわっているところだ。同社のCRHツアーは人気も上々だっただけに事故の影響は大きく、「キャンセルもあるでしょう」と、残念がる。

   オプショナルツアーも受付を中止。いずれも8月いっぱいの対応としているが、ツアーの再開については「状況をみながら判断していく」と話している。

   一方、オプショナルツアーで上海‐蘇州間のCRH乗車日帰りツアーを用意している近畿日本ツーリスト(KNT)は、このツアーの申し込みを引き続き受け付けている。事故が起きた浙江省温州市は広州と福州を結ぶ路線で、「ツアーとは路線が違う」(KNT)からだ。

   同社ではパッケージツアーでも一部、移動にCRHを利用するツアーがあるが、路線の違いからそのまま催行を継続している。取り扱いを中止しているのは、事故区間の切符の手配などの業務にとどまる。

   CRH事故の影響について、最大手のジェイ・ティー・ビー(JTB)も「今のところはとくに(影響は)ない」と話す。問い合わせもほとんどなく、キャンセルもない。

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