AKB48の「妹分」、NMB48のデビューシングル「絶滅黒髪少女」が2011年8月1日付の週間オリコンチャートで、初登場1位を獲得した。
注目すべきはその初週売り上げ、「21万8千枚」という数字だ。女性アーティストのデビュー曲としては史上最多、また「本家」AKB48の人気メンバー、前田敦子さんらのソロ作品の売り上げをも上回り、一挙にAKB48ファミリーのホープ格に浮上した。
大阪・難波から全国のアイドルに急成長
「正直一位を取れるとは思っていなかったので凄くびっくりしています」――そう話すのは、NMB48の中核メンバー、山本彩さん。他のメンバーも「正直全く自信ありませんでした」「1位を頂けるなんてほんまに夢のようです」と口を揃え、自分たちの「快挙」に驚きを隠さない。
NMB48は2010年、AKB48の「妹分」として大阪・難波を拠点に結成された。プロデュースは「本家」同様に秋元康さんが手がけ、吉本興業とパチンコメーカーの京楽産業が設立した「KYORAKU吉本.ホールディングス」が運営に携わっている。メンバーは研究生を合わせ、現在47人。
関西圏を中心に合計9本のレギュラー番組を持ち、6月に行われた「第3回AKB48総選挙」では、山本さんが「本家」AKB48のメンバーらを相手に28位にまで食い込み、注目を集めた。7月からは関東圏でも冠番組「なにわなでしこ」(日本テレビ)をスタートさせるなど、その人気はじわじわ上昇しているところだった。
今回のCDデビューに当たっては「1位を獲れなければ『ブルマ』姿で公演」という公約をぶち上げた。韓国の人気アイドル「東方神起」の新曲とぶつかったこともあり、「ブルマ公演」は確実かとも思われたが、ふたを開けてみれば新記録での1位獲得。メンバーの吉田朱里さんは「ブルマ公演なくなってよかったー!」と快哉を叫んだ。
「幻のブルマ公演」にファンは複雑な思い
山本さんは今回の1位獲得を「努力し続け48グループをこんなに大きくされた先輩方のおかげ」と謙遜したが、売り上げだけ見ればNMB48は、早くもその「先輩」たちを追い越した形だ。
先月22日、前田敦子さんがソロデビュー曲「Flower」を発表したが、その初週売り上げは約17万7千枚。名古屋・栄を拠点とする先輩格の姉妹グループSKE48も前回のシングル「バンザイVenus」(11年3月9日発売)は約20万7千枚で、NMB48の21万8千枚という数字は、「本家」を除くAKB48ファミリーの作品史上最多となった。
ファンたちからは予想以上の売れ行きに驚きの声が上がるとともに、中には「逆に売れすぎで心配」「1枚目からこんなに売れると2枚目が大変だな」と気の早い心配も。
と同時に公約だった「ブルマ公演」への未練もまだくすぶっているようで、
「ブルマ公演見てえ~と思いながら涙目でCD買ってしまった」
「ブルマ…応援してるグループが1位取った時にがっかりしたのなんて初めてだよ」
「『オリコン1位ありがとう記念』でブルマ公演やればいいだろ」
と、複雑な祝福も飛び交った。