「麻生太郎元首相に会いたい」 ノルウェーテロ犯の理想郷は日本だった

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ローマ法王、プーチン、カラジッチ、そして・・

   さらに読み進めていくと、「現存する人物で会ってみたいのは誰」との問いがある。これに対しては、ローマ法王とロシアのプーチン首相を挙げた。特にプーチン首相は「親友になるか最大の敵となるかは分からない」としつつ「敵には回したくない」と評している。

   この2人以外で会いたい人物を問われた時、ブレイビク容疑者が名前を出したのはオランダの極右政党「自由党」のウィルダース党首、ボスニア・ヘルツェゴビナ紛争でイスラム系住民の大量虐殺を指揮したとされるカラジッチ氏に加えて、韓国の李明博大統領、さらには麻生太郎元首相だった。

   極端な反イスラム主義を掲げるウィルダース党首やカラジッチ氏に好意を持つのは理解できるが、なぜ麻生元首相なのか。理由は書かれていないが、自身が称賛する政治システムを持つ日本のリーダーとして、ブレイビク容疑者が文書を執筆していた時点で首相だったとみられる麻生氏の名を挙げたのではないか。韓国の李大統領も、同様の理由だと推測される。

   日本国内に住む外国人のうちイスラム圏出身の永住者は、総務省の統計によると、2009年時点でインドネシアの3469人が最も多い。永住者のうちイスラム国家出身者は1万人程度、これに「日本人の配偶者」「定住者」を合わせても2万人程度で、人口比では0.01%とごくわずかだ。これに対してノルウェーのイスラム系移民は全人口の2%ほどに上ると言われている。数字だけを見れば、反イスラムのブレイビク容疑者にとって日本は「理想郷」なのかもしれない。

   しかしながら日本では政府が留学生30万人計画を推進するなど、外国人を排斥しているわけではなく、文化の多様性を否定しているわけでもない。ブレイビク容疑者の何とも「特異」な解釈で、日本は勝手に好感を抱かれてしまった。

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