8月から上限25倍と規制強化  FX業界生き残り策に躍起

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   FX(外国為替証拠金)取引に対して、2011年8月1日から規制が強化されるため、ネット証券などの仲介各社はサービス競争に躍起だ。規制を嫌って取引高が減少することが懸念されるためだ。ただ、「ミセス・ワタナベ」と総称される日本の個人投資家の意欲は強いと見られるほか、来年からは税制の後押しもあり、8月以降のFX取引の推移が注目されている。

   FXは少ない元手(証拠金)で多額の為替取引ができることが、投資家には魅力だ。現行の証拠金倍率の上限である50倍なら、2万円の証拠金で100万円の取引ができる計算。ただ、為替取引は「上がるか下がるか」が対象でわかりやすいこともあって近年、安易に手を出して巨額損失を抱えるケースが続出したことから、金融庁は規制に乗り出した。

新規口座開設に5000円をキャッシュバック

   規制は2010年8月と11年8月の2段階で実施。かつては100倍を超える証拠金倍率も珍しくなかったが、10年8月から上限が50倍となり、今年8月からは25倍に引き下げられる。

   業界が心配するのが、メシのタネである取引高の減少。実際、金融先物取引業協会のまとめによると、昨年8月の規制導入時には店頭FXの取引高が前月の162兆円から109兆円に3割以上も急減。その後徐々に回復してはいるものの、今年8月の規制強化でも減少が見込まれている。

   このため、業界各社は顧客開拓などに向けたサービスを展開する。

   例えば、セントラル短資FXは、9月30日まで、マネーパートナーズは8月末までに新規に口座を開設するとそれぞれ5000円をキャッシュバックする。これに対抗するように外為どっとコムは、9月3日までの新規口座開設者に対し、入金額などの条件はあるが、6000円をキャッシュバックする。

   一方、マネックスFXは、倍率ごとに必要だった口座を一つに集約できるサービスを8月から提供。「豪ドル・米ドル」間の取引も9月に追加し、利便性などをアピールする。

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