問い合わせ多発は「混乱」
「初日17万件超の問い合わせ」をどう見るかについて、立教大学社会学部のメディア社会学科、砂川浩慶准教授に聞いた。砂川准教授はこれまで、国の地デジ浸透度調査から80歳以上の人の世帯が対象から除外されたことなどを問題視し、指摘してきた。
砂川准教授は、問い合わせ件数の多さについて、「一般的に『混乱』を示すものだと思います」と話した。地デジ難民の数について、総務省が実測ではなく推計値で「大本営発表」をし、「大きな混乱なし」と完全地デジ化を強行した責任は重いと考えている。「混乱」は予想できたからだ。
総務省などは夏中にも、地デジ難民対策を終えたい考えだが、砂川准教授は「年内一杯は対策を続けるなど丁寧な対応をしないと、置き去りにされてしまう人が必ず出てしまいます」と指摘する。
さらに、「国民の情報インフラであるテレビが、地デジ化でテレビ離れを加速させたことにならないか、国策の検証が必要だ」とも求めた。