なでしこツイッター騒動は、法政大が、ツイートした男子学生(21)と面談して厳重注意する事態になった。一方で、東大でも、学生のツイートが問題になったとして、注意喚起を促す文書を出した。そこまでしないと分からないのか。
熊谷紗希選手(20)の飲み会発言を法政大生がツイッターで実況中継して騒ぎになった2011年7月21日、ネット上に、ある文書が出回った。
飲酒運転告白騒ぎがきっかけ?
「Twitter等への書き込みについて(注意喚起)」とタイトルがついたものだ。 東大教育学部の市川伸一学部長名になっており、ツイッターなどでの安易な書き込みを学生らに戒める内容になっている。
それによると、ある東大生がツイッターで反社会的な行為をしていることをつぶやき、ネット上で騒ぎになった。その結果、所属サークルのホームページから個人情報が突き止められバラまかれてしまい、東大にも問い合わせが相次いだ。こうしたことから、周りの人たちの迷惑にもなりかねないとして、「慎重に考えて責任を持って行動」するよう呼びかけている。
この騒ぎとは、東大の男子学生(21)が7月14日、ツイッターで「飲酒運転なう!」とつぶやいて、ネット上に波紋が広がったケースを指すらしい。学生は、「途中道で寝た」としながらも、「居眠り運転に転じそう」などと発言していた。その1か月ほど前にも、「飲酒運転がバレませんように」とツイートしている。その後、ミクシィで本名を割り出され、サークル情報から飲み会での顔写真まで暴かれる事態になっていた。
今回出回った文書について、ネット上では、厳しい指摘が相次いでいる。
ツイッターをみると、「どこの中学校だよ?」「天下の東京大学がこんなことをやらないといけないなんて・・・」「こんなん出さないで、学校は一切責任を負いません、自己責任で って書いておけばいいじゃない」などと書き込まれている。
東大「ごくまれなケース」
文書の東大生が男子学生のケースに当たるかについて、市川伸一学部長は、「申し上げられません」と明確な返答を避けた。しかし、男子学生のツイッター発言については、こう説明している。
「本人は、飲酒していたわけではないと言っています。ふざけて書いたところ、大きな騒ぎになってしまったということです。本当のところは、酒を飲んで酔った後、自転車を引いて帰ったと言っていました。不用意に書くと、とんでもない騒ぎになるということです」
ただ、学生の処分については、コメントできないという。
ネット上では、2009年4月にも、東大生というミクシィユーザーが飲酒運転を告白する騒ぎが起きている。東大でさえ、やはり注意喚起しないと分からない学生も多いのか。
この点について、市川学部長は、「ごくまれなケースであり、学生が一般的にそうだということはありません。しかし、そんなケースもありうるので、注意喚起したということです」と説明する。法政大生のツイート騒ぎと文書を出したこととは関係ないという。
文書は、東大サイト上にあったが、その日中に削除された。理由については、「学生に見てもらうための掲示であり、意図に反して外部に流れてしまったため」と説明している。
法政大生のケースでは、大学側が「ご迷惑をおかけした」と謝罪したことに、学生が悪いのになぜなのかとネット上で疑問が相次いでいる。むしろ学生を厳しく突き放すべきではとの意見も多く、大学にも、電話で「処分しないのか」といった意見が10件ほど寄せられている。
大学には、代わりに謝罪しないといけないほどの事情でもあるのか。
法政大では、こうした点には答えず、今後こうしたことがないよう学生を指導し、学内でもモラル向上を図る教育に注力するとコメントした。学生本人は、熊谷紗希選手を始め関係者に迷惑をかけたと深く反省しているという。