ツイッターをめぐる失言が相次ぐなか、共同通信と同社加盟社のニュースを発信しているニュースサイト「47NEWS」(よんななニュース)の公式アカウントが、「日本で無期懲役とは事実上の無罪放免」などと不適切なツイートを繰り返していたことがわかった。同サイトの運営会社は「スタッフの個人的見解がチェックのないまま掲載されてしまった」などと陳謝している。
2009年には、産経新聞が不適切なツイートをしていたという例があるだけに、メディアの公式アカウントのあり方に一石を投じることになりそうだ。
「検察は不誠実だニャ!」
問題となっているのは、47NEWSの公式アカウント(@47editors)。自己紹介では「公式キャラクターのてくにゃんだにゃん」と名乗っており、語尾に「にゃん」とツイートするのが特徴だ。
「このツイッターは47NEWS編集部の記者とスタッフによるものですが、会社の公式な見解とは必ずしも一致するものではございませんのでご了承下さい」
との但し書きはあるものの、報道機関としては不適切な書き込みに、批判が殺到している。
特に問題視されているのは、英国人英会話講師リンゼイ・アン・ホーカーさんが殺害された事件で、殺人などの罪に問われた市橋達也被告(32)に対して千葉地裁で行われた裁判員裁判をめぐるツイートだ。
例えば、遺族が死刑を望んだことについては
「死刑のない国の遺族がこの発言をしたのは重いニャ! やはり死刑は世界に誇れる極刑ニャーッ!」(2011年7月11日)
と肯定的にとらえる一方、検察が無期懲役を求刑したことについては、「遺族は死刑を求めているのに、何故検察は無期求刑なのか? 検察は不誠実だニャ!」(7月13日)と非難。
7月21日に無期懲役の判決が下った後は、
「リンゼイさんのお父上、申し訳ないが日本で無期懲役とは事実上の無罪放免なのですにゃ…」
と、明らかに事実と異なるツイートをした上、弁護団を「人殺しを自分の名誉と共に必死になって守らなければならないなんて、弁護士も因果な商売だニャー」と罵倒した。
発言の一部はすでに削除
また、原発に対するスタンスも比較的明確で、91年に世論対策マニュアルが作成されていたというニュースには、
「これを読むと逆に原発なんていらないということがよーーーくわかるニャ!」(7月20日)
とツイート。
「なでしこジャパン」メンバーが宴会に参加する様子をツイッターで拡散したことについて、佐々木則夫監督が陳謝したことについては、
「誰が何語で何をツイートしようが自由だろ!」(7月22日)
と独自の主張を展開している。
問題の発言の一部はすでに削除されている。
「47NEWS」を運営する「全国新聞ネット」(共同通信と、同社加盟社が出資)によると、このアカウントは確かに47NEWS編集部のものだといい、同社では
「編集スタッフの個人的な見解が、十分なチェックがないままに掲載されてしまった。申し訳ない。こういう事がおきたことは残念。管理が十分でなく、反省している」
と謝罪している。
大手メディアのツイッターをめぐっては、09年8月の衆院総選挙で民主党の政権獲得が確実になった際、産経新聞のアカウントが
「産経新聞が初めて下野なう」
「でも、民主党さんの思うとおりにはさせないぜ。これからが、産経新聞の真価を発揮するところ」
とツイート。メディアとしての中立性を問う声が相次ぎ、謝罪に追い込まれた経緯がある。